…去る雲、おって(仮)…

DIY、感想文、日記。文章力上がったらいいなー。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映画「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」感想文

20120228191058_00_400.jpg


SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(以下SR3)観てきました。いや、やばいっすね。

4/25に一回、4/27日にSR2と3を一回づつシネクイントで観てきました。
あと2回は見に行きたい。
僕はタマフルリスナーで時折シネハスにも感想を送ります。といってもまだ2年ほどで3通しか送っていませんが。
つまり、よっぽどのことがないと送りません。そして今回はよっぽどのことでした。

以下映画の感想メール
---------------------------------------------
こんにちは、宇多丸さん。以降敬語になったりならなかったりなので最初に謝っておきます。

まず・・・・
SRシリーズ最高!!特にSR3最高!!号泣メーンっ!!
僕の人生ベスト映画に決定です!!鳥肌!!
観てないやつはB・U・T・A(豚)だっ!!さっさと見に行けっ!!
そしてこの映画を悪くいう奴は俺がぶっ殺すっ!!

興奮しすぎて、鑑賞後に見つけた古川さんに「宇多丸さんに、僕の人生ベスト映画だったと伝えてください」と絡んでしまいました。すいません。

僕の映画館で最も回数を多く見た映画は「もののけ姫」の四回です。
SR3は今のところ2回ですが、まだ見てない知り合いのB・U・T・A(豚)二匹を連れて行くので、最多タイ確定です。
それほど僕にとっては素晴らしい映画かつ映画館体験でした。

一回目は客全体が笑いモードで、ここで笑わなくてもいいだろ、と宇多丸さんの「カムイの剣」状態も少し感じましたが、それはそれで楽しめました。
特に、笑いモードの客がラストシーンでだんだんと息を飲む感情変化を直に感じられとても新鮮でした。
二回目は一回目よりも笑いが少なかったので(それでも笑いシーンではしっかり笑っていましたが)没入して見ることができました。

あまりにも感動したので、一回目ではいったい何に感動したのかわからないほどでした。
二回目でやっと僕の感動の正体がおぼろげながら分かりました。それは圧倒的な「マイティへの感情移入」です。


ほぼ全てが好きなシーンで文句がないので、少ない気になったシーンを羅列します。
・解体現場でのマイティの服、タオルが綺麗すぎる。作業してたらあんなに綺麗なはずがない。
・ライブ会場から逃げるマイティの車がいくらなんでも遅すぎる。故障していたとしても、必死なんだからアクセルを思いっきり踏むはず。
・眠り猫がリミックスを仕上げできたと言うシーンで音楽が止まり、すぐCDを持ってくる。CDは焼いたら出来上がりなので音が鳴ってるのは少し不自然。
・一礼二拍手一礼が分かりずらい。


以降なぜ、そこまで「マイティへ感情移入」したかを僕なりに考えを書いてみます。
ここで書くことは後で考えたら、そうかも、という程度で鑑賞中は没頭しすぎてこんなことは一切考えていませんでした。

まず言えることは前二作と比較しても、主人公が実質マイティ一人であること。
そして、この映画の一番最初の台詞は(ラップを抜くと)マイティーに対しての物販がどれだけ"売れた"かという問いです。
これは、この後マイティが執着する"金"を映画の一番最初に提示しているのです。これでストーリーおよびマイティの感情が理解しやすくなっているのだと思います。
また、この映画のアイテムとして欠かせないブロッコリー。ブロは地元フクヤ及び劇中で唯一マイティと対等な関係であるSHO-GUNGイック・トムを表わしています。
アパートでは一美のブロへの発言に対してブロ=フクヤ及びイック・トムを擁護します。これで、彼は未だフクヤを愛していることが分かります。
これ以降もブロに対してのリスペクトが何度も描かれることによって、荒廃したマイティでも真に悪ではないことが何度も提示されます。
それゆえマイティがどんな悪行を重ねても見捨てることができないのです。
MCバトルでは圧倒的なラップをマイティが披露します。
これによってマイティが東京に来た"だけ"ではなく、しっかりと努力していたことが伺えます。SR2で聞いたイック・トムよりも上手いので、彼ら以上に必死だったことも示されます。
そして、ここでもマイティの金への執着を加速させます。
つまり決勝の"金持ち"に負けることによって金の強さを思い知るのです。
物語が動き出す直前、マイティは暴力を振るいます。この時点でマイティは暴力の負の連鎖に足を踏み入れてしまったのです。これは執拗に殴ることによって予期されます。
そして、ついに物語はマイティが走り"逃亡"すると共に走り出します。そう、まるで「哀しき獣」と同じように。
マイティは逃げ切れるのですが、これも冒頭の解体現場のシーンがあることで体力的に鍛えられていることが裏打ちとなり、違和感を感じさせません。
対して末尾部分の逃走が長引く理由が提示されず、これはいくらか不自然でした。

第二幕もやはり、"金"で始まります。更に、そこには以前以上の暴力が日常的に存在することも示され、僕は感情移入と物語の加速を体感しました。
二幕で特に示されるのは、マイティの人間関係と、イック・トムの人間関係です。
SHO-GUNGが征夷大将軍と飯を食いフード理論的にも対等な立場で付き合うのに対して、マイティは誰とも食事を共にしません。
一幕では一美と食事は描かれずとも予期はさせていましたが、二幕ではそれすらありません。
またスナックでも食っていても乾きものであり、少年グル―プは食べていないし、等々力らとも離れています。
彼らとは決して対等な関係ではないのです。比較的仲のよさそうな少年グループとでさえマイティと対等な者は一人としていません。
ましてや等々力達は論外です。つまりマイティは上下の関係性はあっても対等な者はおらずとても孤独なのです。この描写はラストシーンへの感動の一翼を担っています。
また同じ殴る、蹴るでも征夷大将軍と等々力らの描写は全く違います。これもマイティの孤独性に拍車をかけます。
そしてマイティは"以前"の、そしてその延長線上の"今"の自己肯定をしません。これもはラストシーンへの感動の一翼を担っています。
それでも一幕ど同様に一美との、ひと時の幸せは描かれます。
一幕はアパートで、二幕では帰り道で。これ(ブロの言及を含め)は完全には道を外していないことを示し、後の傷害事件の引立てになっています。

三幕も、一美がお札を投げ"、金"で始まります。そして、紀美代への反抗は一幕の極悪鳥への反抗を想起させ、物語の加速を予期させます。
ついに犯行は行われ、二回目の"逃亡"が始まります。この始まりも二幕の終わりに等々力のマイティへの言葉が効いていて、まったく違和感を感じさせません。
ここから、画面から元凶ともいえる等々力が消えます。それにより、タイヤ屋及び産廃屋への侵入シーンが等々力が現れるのではないかという恐怖感で緊張感を増長させます。
車が故障し止まってしまいますが、これもそれ以前のエンジンがかりにくいという描写で補完されています。
そしてマイティはSHO-GUNGのラップに引き寄せられるようにステージ下へ。これも追い詰められたマイティの心境が読み取れます。
ずるずると引き寄せられる体に、顔は何か笑っているようにも見え、複雑な感情に見えます。
映画の音楽に過大な役割を担わせてしまう問題、そのギリギリのところにイックとトムのラップが置かれています。
何も解決するわけじゃないが、少しの間だけ彼らの"言葉"に人が耳をかすようにように。

こんな加速に次ぐ加速の終点で、映画はついにラストシーンを迎えます。ここが今までの感情が集約され一番感動的なシーンでした。
なぜマイティは語りだしたのか。それはマイティにとってイック・トムが唯一対等であったから。それゆえのタメ語。
そして今もマイティの言葉を、マイティ自身を必死に受け止めようとする彼らのラップ。
そしてダメ押しのイックの「俺"ら"SHO-GUNG」という言葉からマイティは自分を語り、以前の、そして今の自分を完全とまではいかないが肯定するのです。ゆえに謝らない。
感動しないわけがない。
最後に「お前らの助けはノーセンキュー」「じゃーな、SHO-GUNG」と発します。そして暗転でエンドロールへ。
しかしこの言葉の真意はエンドロールのマイティのラップに現れるのです、そう何回も繰り返す、「俺らSHO-GUNG、言えよSHO-GUNG」。そしてそれを受けるようにイックとトムの「俺らSHO-GUNG」。
感動しないわけがない。

以上が僕なりに考えです。


また映画全体のシリアスなトーンの裏で大切なのは"手塚治虫作品のひょうたんつぎ"、"ベルセルクのパック"のような緊張を緩和させる"笑い"の要素であるということも付記したいと思います。
常にシリアスでは観客は過剰にそれ以上を求め緊張が持続しません。そこに"抜き"を入れることで過剰にシリアスにせずとも緊張感が持続するのです。
また極悪鳥を完全な悪として書いていないのも好感が持てます。もしそのような意図があるとしたらMC大河は、あのようなキャラではなかったでしょう。
(MC大河とMC林道の「極悪鳥の翼を折るなよ」の対比がよく効いています。)


SR1、SR2ともに映画館、DVDで見ていますが、SR3はシリーズ中でも最も映画館で見るべき映画だと感じました。なぜそう感じたのかは、もう少し時間と考察が必要です。

またとてもプライベートなことなのですが、一人で映画館に行った初めての映画は「8mile」なのは運命を感じます。


最後に僕は"SRシリーズ"をタマフル映画祭でSR1を鑑賞して知りました。もしタマフル映画祭がなかったら。またSR1を取り上げなかったら、ぼくはこの人生ベスト映画に出会えなかったことでしょう。
僕を"SR"に出会わせていただいたことに宇多丸さんはじめタマフルクルーの方に感謝を述べます。ありがとうございました。
---------------------------------------------

といったメールを送らせて頂きました。
稚拙な文しか書けなく悔しいですが、この熱量伝われば幸いです。


以下SRシリーズと僕のなれ初めについて。
上でも書いたようにSR1を映画祭で観て、しかしその時はさほど熱狂はしませんでした。
自主制作でこんなクオリティーの映画作れんだなぁ、ぐらいにしか思っていませんでした。
というより自主制作映画を初めて観た、その独特の感覚に面食らった方が大きかったと思います。楽しみはしましたが。
で、そんなんなのでSR2はDVDをレンタルして観ました。
これが良くなかった。いや、良かったのか。
SR2は女子が主人公なのですが、その切羽詰まりかたがSR1より数段感情移入してしまい、泣いてしまいました。
そんなんで、映画館に行かなかったことを後悔して、SR3公開の暁には絶対映画館で観ようと決めていました。
そしてSR3公開。さらに喜ばしいことにSR2も特集上映で映画館で観れる!!最高です!!
繰り返しになっちゃいますが、やっぱタマフルクルーには感謝です。

ちなみに映画館ではサントラと公式book(SR サイタマノラッパー ‐日常は終わった。それでも物語は続く‐)が売っていますが、これらもマストバイです。
SR2、SR3のOSTと公式ブック、それにTシャツを買って散財してしまいました。実際に欲しかったし、御ひねり感覚もありました。

と長文になりましたが、それほど人生において大きな映画でした。



たぶん名作とは呼ばれないだろうけれどリアル・スティールも人生ベスト映画でまだ、感想文を書けていないので、DVD・BD発売前には書きたい。
ThreeAのアンブッシュも直販で予約したしね。早く届かないかとワクワク。
あとコミティア99にて初めて同人即売会なるものに行ったのですが、とっても面白かった。コミティア100にも行くのでその感想文も書きたいな。
それとそれとこれがやばい⇒1/16 Discipline
とにかく、観てみてください。


いやーこの頃人生が充実してる。ほんと。

スポンサーサイト

« 映画「おおかみこどもの雨と雪」感想-俺が怒れる一つの理由-|Top|タマフル漬けの一日 -タマフル映画祭とタマフル THE MOVIE レビュー- »

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://sarukumo.blog115.fc2.com/tb.php/16-7db1868c

Top

HOME

FC2ブログランキング

もっと上手になったらリンク申請しようと。今は恥ずかしすぎて。

  • Puppet House
    フィギュアではないのですが、海外の操り人形などが見れるサイト。怖いものからかわいいものまで沢山あります。
  • 荒木一成の恐竜模型の世界
    造形の材料・資料があります。ここに載ってるのをまず買おうと思います。
  • モリモリ部屋
    動画で作成過程を見せていただけます。ものすごく参考になります。
  • さっとみくん&工房こぼし
    数が少ない(と思う)ファンドによるフィギュア(キューティーハニー)の製作過程を拝見できます。
  • 気ままなHobbyLIFE
    家庭持ちのスカルピ使いの造形師さんのブログ。製作過程を見せていただいてます。
  • REFLECT
    プロの原型師さんのHP。こちらも少ないファンド使用。GALLELYで見れる分割術は必見。←分割術がなくなってる(´・ω・`)
  • 管理者ページ

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。